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熱中症

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大幅改訂致しました。
救急医療学会の熱中症分類を踏まえながら、熱中症とは何か、熱中症の病態生理、熱中症の治療について、忙しい外来で診断治療がスムーズに運ぶようにまとめてあります。
また、脱水状態による身体の変化を記載し、図解を加え、熱中症とは何かを理解しやすいようにしています。

この資料で、熱中症について、自然に理解し、周囲の方々や患者に対しわかりやすく説明できるようになるはずです。

A4 37頁 図5枚

目次
体温上昇を防ぐ機序
脳を循環する血液の温度上昇によって人体はどのように反応するものなのか?
血流の再配置
発汗
脱水症の生理学
熱中症の病態生理
熱中症を発症しやすい条件
熱中症の治療

Keep In Mind
熱中症は、熱負荷による脱水症である。
熱負荷によって脱水が進行すると終には深部体温が上昇する。熱負荷の大きさによっては脱水が進行する前に深部体温が上昇する。これが熱射病である。
熱負荷による脳を循環する血液の温度上昇に対して、血液の再配置と発汗で対応する。
背景に脱水があって、血液の再配置が起こると熱失神を来し得る。
発汗時に水分を補給しないと脱水が進行するが、これに伴い熱痙攣、熱疲労を来す。

2L の脱水で循環不全が始まり収縮期圧が低下していく。
3L の脱水で循環虚脱が始まり拡張期圧が低下していく。
4L の脱水で循環虚脱が完成し深部体温(核心温)が上昇していく。

発汗の継続による循環虚脱がHeat exhaustion(熱疲労)であり、深部体温の上昇による代謝障害がHeat stroke(熱射病)である。代謝障害は深部体温が40 ℃以上で起こり始める。

熱負荷による脱水では、Na 濃度は大抵の場合、140mEq/L を下回る。溶血を来している。
脱水が進行し、熱疲労に至ると、胆汁うっ滞の検査所見が現われ、肝酵素、筋酵素の軽度上昇も認めるようになる。熱射病では、明らかな肝酵素の上昇を認めるようになりDIC の所見が現われてくる。筋酵素もはっきりと上昇するが診断基準にはなぜか含まれていない。

深部体温の上昇に対しては、冷却が治療の第一選択である。

臨床で役立つばかりでなく、国家試験対策にも役立つことでしょう

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