高血圧症
高血圧症治療のガイドライン2019年改訂を受け、日本のガイドラインだけでなく海外の最新のガイドラインも踏まえ、臨床で使いやすいようにまとめてあります。
ガイドラインに一歩踏み込んだ形で、高血圧症に対する考え方を提示し、様々な図解を入れるを入れることにより、知識の定着や忙しい外来で診断治療がスムーズに運ぶように作成しました。
例えば、降圧薬もACE 阻害薬・ARB、CCB、Thiazide 系利尿薬といった分類ごとに、その特徴や副作用を詳しく示すと共に、患者の基礎疾患等を踏まえた選択が速やかに出来るように作成しています。
この資料一つで高血圧症を把握し、診断治療へと導きます。
A4 45頁 図12枚
目次
Metabolic syndrome について
高血圧症の重症度
高血圧の薬物治療の適応
高血圧治療の開始にあたって
二次性高血圧
褐色細胞腫
クッシング症候群
原発性高アルドステロン症
高血圧患者を診たときにする検査
降圧薬の種類と特徴
ACE 阻害薬・ARB
CCB
Thiazide 系利尿薬
まとめ
降圧剤の第一選択
原則
筆者の考え
Keep In Mind
殆どの高血圧は本態性である。本態性で無いときは原因を探す努力をする。
降圧剤の適応は、 III 度の高血圧、心血管病発症の既往のある人、 II 度の高血圧で心血管病発症の小リスクのある人、 I 度の高血圧で大リスクのある人に投与する。高値血圧でも投与する場合が有る。
つまり、“重症”の高血圧、ハイリスクの患者(今後、重症になるであろう高血圧患者)、治療効果の高い患者に投与する。そして、これらの人が降圧剤の適応になる。これは、あらゆる疾患での原則であり、高血圧でもそのようになったということである。ガイドラインの目指すところも結局は治療適応者の選別に尽きる。
降圧剤の第一選択は、利尿剤、CCB、ACE 阻害薬/ARB、を中心に考えていけばよい。
実際の選択は、この疾患に関してはこれ、というものであるのだが Grade A のものは意外に少ない。大抵は Expert opinion なのである。疾患に関する Grade A は、糖尿病に対する ACE-I、心不全に対するβ-Blocker だけである。
降圧目標値に関する GradeA は、60 歳以上で血圧を 150/90mmHg 以下にすることと、60 歳未満の場合に dBP(diastolic Blood Pressure:拡張期血圧)を 90mHg 以下にすること、である。60 歳未満で収縮期血圧をいくらにすれば良いかは RCT で明らかになっていない。
60 歳未満で血圧を 140/90mmHg 以下にする、というのは、専門家の意見(expertopinion:Grade E)にすぎないのである。
DM と CKD 患者で 140/90mmHg 以下にする、というのも、専門家の意見(expert opinion:Grade E)である。
個々の患者の状態、経緯を鑑みて、ガイドラインを参考にしながら決めていく。
臨床で役立つばかりでなく、国家試験対策にも役立つことでしょう。